2007年7月31日火曜日

ALPSLAB stampが象徴する、きたるべき"メタWeb"の世界

 メタWebとは何か。その問いの前に、Webとは何か。Webとは元々、テキストがハイパーリンクによって結び付けられ、ハイパーテキストとなったものである。それがまるで蜘蛛の網のように、かつ世界的規模で繋がったものがWWW、すなわちWebである。
 ではメタWebとは何か。それはWebの世界を構成するWebページに対してのメタ情報が有機的に結び付けらることによって生じる情報体のことである。メタ情報はもちろん、HTMLのMETAタグだけを指すのではない。メタ情報はWebサイトの制作者だけでなく、それを閲覧する側の人間(あるいはBot)によって外部からつけることも可能だ。また、ここでいう「有機的な結びつき」とは、必ずしも直接的なハイパーリンクの形を取る必要は無い。むしろ個々のメタ情報が別のサイトで何らかの軸を元に他の情報群とともに再定義されることで結びつきは強固となる。

 例えば、今日リリースされたALPSLAB stampである。これはWebページに対して外部から地図情報を付加することができるサービスだ。もしこれがある程度普及すれば面白い。メタ情報上での地図検索なども可能になるだろう。
 もちろん、メタWebはこれが初めてではない。有名なところでは、Webページに対して「ブックマーク」を行い、タグによる分類とコメント付けができる「はてなブックマーク」をはじめとするソーシャルブックマーク/ソーシャルニュースがある。また、Webページに対してランクを付けそれをツールバー上で確認可能にしたGoogle Page Rankや、ドメインに対しての順位を表示可能なAxelaなどもメタWebといえるだろう。面白いところでは、Webページ上でチャットを行うGabblyなんてのもある。
 これらに対してALPSLAB stampが新しいのは、地図というテキストでない情報を扱っていることである。地図は画像と位置情報からなる。これらはテキストだけでは表現しにくい情報を簡単に表すことができる。

 ALPSLAB stampが惜しいのは、Webページ上の地図に他のstampが表示されないことだろう。それが表示されれば、Webページ間の繋がりを地図という異なる側面から捉え直し再構成することができるのに。地図は、テキストとはまた違った方法によりお互いに結びつくことが可能なのだ。(あ、ここの和菓子屋の隣に相撲協会がある!とか。)

 それでは、これからメタWebの世界にはどのような情報が出てくるのだろうか。考えてみた。

  • メタWeb株価速報・・・企業のWebサイトに株価情報を載せる乗せる。
  • メタWeb予測市場・・・Webページの価値を予測市場により取引する。(誰が何のために?)
  • メタWebお薦め商品・・・Webページに関連した本などの商品を外部の人が勝手に紐付けてアフィリエイト。
  • メタWebまとめページ・・・Webサイトのまとめページを外部の人が勝手に作る。
  • メタWebLIVE中継・・・Webページに対してカメラによるLIVE中継を紐付ける。
  • メタWebスター・・・Webページに対して☆を付ける。
 これまでは「直リンクはマナー違反!」とか言っていれば良かったのが、これからは「勝手にメタ情報つけないで!うちの地図とかLIVE中継とか勝手に紐付けないで!」と狼狽する時代が、もうすぐそこまでやってきているのである。恐ろしい時代である。

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